
第2話 謎の原チャリ集団
予定よりかなり早めに現地入りを果たしたテツフミとボク。 「宮崎のみなとのオオタオです。明後日はよろしくお願いします」 「長崎のみなとのテツフミです。こちらこそ」 ボクたちは所長さんとの挨拶を済ませ、ビジネスホテルで宿をとる。 夜半。 テツフ...
イタリアでは、日本以上に厳しいロックダウンが続いていた。
公道は無人で、一台の車も走っていない。
途中、検問があったのを、何とかやり過ごして、ボクらはイタリアの街を静かに爆走した。
テツフミのもとに、一通の年賀状が届いた。
送り手は、ヒロミさんとだけ書かれている。
内容は、ハンドバックを取り戻してくたのことのお礼だった。
長崎大学保健福祉学科からの帰り道。ボクの意識は、ただの車から、ひとりの少女へと変貌を遂げた。その後の顛末。
コーイチちゃん。
ある日、LINE上で、コーイチちゃんの執筆をお願いされてしまった。
研修会の送迎の、恋愛とは無関係なカップルの、シンクロ率400%のやりとりの中で誕生した彼女。
誰がなんと言おうと、女性。
ヤンキーで、ヤンデレで、ドランカーで、男気があって、曲がったことが大嫌いなショートカットの僕っ子。
それなのに、軽自動車。
車種は、スズキのワゴンRだったろうか、、、なかっただろうか。
さて、どこから見ても、立派な自動車でしかないコーイチちゃんの物語を、令和3年の締めくくりの大晦日の夜に、みなさんのもとに、お届けしようと思う。